犬は人間に従わなくてはならない?

古い本、古い考え方やネットには、やたらと服従という言葉が使われています。
これって本当に必要でしょうか。

犬の服従について、もともとは間違った狼の観察から来ているそうです。
この事はジョン ブラッドショー著「犬はあなたをこう見ている」に記されています。
野生の狼に人間が介入したら観測としては崩壊してしまいます。

そして間違った観測の数々は別の群れから連れてきた柵や金網で囲われた狼の観察をしたもの。
家族以外の野生の狼を連れてきて、制限のある場所で過ごしたらどうなるか。
人がご飯を与えたらどうなるか。
メスがいたら、どうなるか。
違う群れの狼たちですから、当然争いがおきます。
そして、強い狼が勝ちます。

人間の出世争いに、とても似ているのではないでしょうか。
なので、この考え方は、やりやすかったのかも知れません。

完全に間違った観察でした。
1910年に、その考え方を参考にした、ドイツの警察官のコンラッド・モスト大佐が服従させれば犬は言うことを聞くと思ってしまい「犬の訓練マニュアル」を出版、後に英語版も出版され、それが英語圏にも広がったとされているようです。

時代は変わって実際の野生の群れの狼というのは、現代では人が介入しない観察が長年にわたってやりなおされています。
(参考:パイプストーン一家の興亡 ギュンター・ブロッホ著)

群れの狼達は平和に家族としての生活をしています。もちろん狼の中にはリーダーはいます。
そのリーダーは、力で抑え込むボス的なリーダーではありません
家族と一緒に狩りをし、家族と一緒に獲物を食べる。頼りになるのがリーダーです。
服従なんて言葉に当てはまるものは一切ありません。
服従をしていたら、チームとしての狩りが出来なくなりますし、群れとして子孫が残しにくい環境になるでしょう。

ひょっとしたら野生の狼を観察していたら、今のようなしつけ方法はなかったかも知れません。
時代はテクノロジーの世界になっています。
古すぎる考えで間違っていたのならば、いつまでもそれに拘っていては人も進化できないことでしょう。

しかし! 人間と共生している犬はもう狼とは関係ありません!
平気でお腹を見せていたら、野生では殺されていますよ!
もう全くの別物です!
狼との付き合い方ではなく、家庭の犬との付き合い方を私達飼い主は学んでいくべきなのです。

なんの為に一緒に住んでいるのか考えていただきたいと思います。

・従えて奴隷のように扱う為? それは犬にとっても、飼い主にとっても幸せな事?
・友達や家族として迎え入れた? 活き活きとした犬と暮らすことが、飼い主にとっても幸せな事?

野生の時の習性などは残っている子もいますが、それはひとまず受け入れるようお願いしたいです。
人間のエゴで「こうしてほしい、あーしてほしい」という事があれば、犬の気持ちになり一度考えてみるようにお願いしたいです。

よろしくお願いします。

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